橋本先生の呪い

Posted 2007/06/02 by zunko

大学の仏文2年の時に、私のクラスに講師で教えに来ていたフランス語の先生(30代後半くらいの日本人男性)は、非常に個性的な人だった。読解の授業を担当されていたと思うが、推理小説が大好きで、選ぶテキストが江戸川乱歩のフランス語訳だったりして、それをもとに毎回行う小テストには”le cadavre(死体)” ”la tache(しみ)” ”étrangler(絞殺する)”など殺人関係の語句がかなりの割合で出題されていたりした。
授業中の雑談が面白く、印象に残っているものがいくつもあるのだが、その中でも私の人生に大きな影響を与えているのが、
「本は手に取ったら買え!」
天文学的な数字の本が発売されている中で、手にとったことが奇跡だし、手にとった地点で半分読んだのと同じで、買った地点でほぼ読んだのと同じだ!という主張だったと思う。
妙な説得力を感じて私は今でもこの教えに従っている。ほぼマニアックな本しか読まない私には、非常に役に立つ教えだった。良書でも絶版になるものも多いし、手に入らなくなる前に少しでも興味を持ったら手に入れておかないと後悔する。本を買ったまま全く一部にも目を通さないということはないし、興味を広げてくれるものにお金を出すのは惜しくない。
「橋本先生お元気ですか?私は10年経った今でも先生の授業で教えてくださったフランス語の勉強法を実践して、マトレの辞書の全単語制覇を試みています。」
…はあ、こうして今日も本屋が私の散財の場所になるのであった。

3 Responses to “橋本先生の呪い”

  1. 重力ピエロ

    なんかかっこいい先生だね。
    素敵な教えだ(^・^)
    これから本屋に行った時は、
    できるだけ手に取らないように
    気をつける事にします!w

  2. zunko

    そっちですか!
    でも本当に素敵な先生で、名だたるフランス文学界の重鎮の先生方よりも印象に強く残っています…。

  3. marimari

    本は必然的な出会いというからねー。
    私も結構、本で散財してます…。
    また、手にとるような本に限って
    高いんだわ(泣)